志望動機を作るために仕事について考えよう
❖仕事って利他を行うこと...
学生からの企業とはという質問に対し「企業とは人に何かを与え幸せを創る組織のこと、その対価が売上げや利益となり企業を存続させる」と答えます。さらに仕事とはという質問に対しては「仕事とは人に何かを与え幸せを創る行為のこと、その対価が収入となり自分の生活を豊かにする」と答えています。
皆さんは「自らの利益を考えて、それを目的とした企業からものを買いたいと思うでしょうか」また「自らの利益を考えて、それを目的とした人からものを買いたいと思うでしょうか」多分、自分のことを第一に考えて商品やサービスを提供してくれる組織や人から買いたいと思うのではないでしょうか。つまり、自分の利益を目的とする組織や人は、商品やサービスの提供者として、自らの首を絞めているのです。(もしくは人をだまそうとする詐欺...)利己的であれば長い目で見て信頼されません。お客様からの信頼を勝ち取れなければ売れなくなります。利己的な働きかたは、最終的には売る側にとっても不幸なだけです。つまり、仕事の目的は「利他」を行い、幸せを創ることであり、その幸せが報酬を創る、ということになります。
❖利他を行うために欠かせないマーケティング視点
「人に何かを与え幸せを創る」「利他を行う」このことを実践するために、2つの視点が重要だと私は考えています。1つ目はマーケティング視点です。
「人に何かを与え幸せを創る」ことが仕事で大事というと、学生達からは「売りつけようとする販売員っているじゃないですか」「似合わないのに似合うって言うアパレルの店員とか...」「ノルマがあって必要ない人にも売らなければならない時あるじゃないですか」などと言われます。
例えば、アパレルの場合人によってセンスが違いますよね。好き嫌いもありますよね。もし、販売員の方があなたの嗜好とニーズを100%把握して商品を薦めてきたらどうですか。「売りつけようとしている」とか「似合わないのに似合うという」とか思いませんよね。その販売員はお客様のニーズを把握するマーケティング能力がないために、利己的にならざる負えないだけです。そのまま、勉強せずに変化なく続けていたら、お客様が逃げてしまい、いつまでたっても売上は伸びないことでしょう。
また「ノルマがあるから必要ない人に売る」なんてことは絶対にやめてください。その時は良くても将来、信頼を失くします。商品にはターゲットがあり大抵の商品は、ターゲットのニーズに合わせて作られています。そのターゲットとニーズに対する分析をまるで行わずに、勉強不足を棚に上げている人が「ノルマがあるから必要ない人に売る」人です。
マーケティング活動を行わず、自分のニーズの範疇で仕事をすることは、自分にとってもお客様にとっても不幸です。皆さんは「なんでこんなものを欲しがる人がいるのだろう」と思ったことはありませんか。私は勉強不足で、例えば「骨董品」を高い値段を出してまで欲しがる人がいるかを理解できません。でも、これは単なる私の勉強不足です。その人にはその人のニーズがあるのです。そこには何故それを欲しいと思うかという理由があるのです。そこを理解したうえでお客様のこと考えお客様の為に動くことが大前提です。
❖利他を行うために欠かせない報酬に対する考え方
2つ目は報酬に対する考え方です。報酬には2種類あると学生には話します。
1種類目は「お金」「安定」「福利厚生」などの、ないと困る必要なものです。でも、よく考えてみてください。これらの報酬は、自分ではどうにもならない周りから与えられるものです。得られないと不満が募りますが、組織で働くうえでは自分ではどうすることもできないものです。さらに、得ても時間がたつともっと欲しくなるものであり、欲望は限りなく続きます。
もう1種類は「感謝」「承認」「誇り」などの、あると嬉しい欲しいものです。さらに、これは自分で手繰り寄せて勝ち取っていくことができます。得られれば満足で、かつ自分がそこに向かって動くことでコントロールできるものです。得られれば満足は続き、得られなかったからと言って不満になるわけでもありません。
当然2つとも欲しいものではありますが、どっちをモチベーションに働いた方が幸せになると思いますか。私が仕事をする中で欲しいのは「感謝」「承認」「誇り」です。だってその方が幸せになれる気がするんですもの。
❖さて...志望動機の作り方
ところで、タイトルで書いた「志望動機の作り方」ですが、マーケティングの視点と「感謝」「承認」「誇り」の視点の2つが大切です。
まずは、マーケティング視点で志望先を俯瞰し、どのようなターゲットのどのようなニーズに応えようとしているのか。そのニーズに応えるうえでどのような工夫をし、どこが競合他社と違うのか。これが大前提です。その分析ができた後、志望先に務めたときにお客様や社員を含むステークホルダー(関係者)全員に「感謝することされること」「承認することされること」「誇りをもつこともてること」ができるかどうかを考え、そこに着眼して書いていくと良いものになります。