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必要な人財になるためのオンリーワン


それぞれの職業に必要なスキル

皆さんは職業に必要なスキルをどのように考えていますでしょうか。「営業に必要なスキル」「企画に必要なスキル」「人事に必要なスキル」...どんなスキルが必要でしょうか。「営業に必要な伝える力」「企画に必要なアイディアを出す力」「人事に必要な人を見る力」...このような声が聞こえそうな気がするのですが、これだけじゃないことも分かると思います。

例えば営業ですが「伝える力のある営業」と「人を見る力のある営業」どちらの営業マンから商品を買いたいでしょうか。人を見る力に優れている営業マンは、人の内面も見ることができるので、気持ちをわかってくれます。そのような、自分の気持ちをきちんとわかってくれる営業マンから商品を買いたい人がほとんどではないでしょうか。さらに、アイディアを出すことが得意な営業マンが、皆さんの気持ちを理解し、素晴らしいプレゼンで営業してくれたらいかがでしょう。最高ですよね。企画ではどうでしょうか。伝える力のある企画マンが、お客様の気持ちを理解して(これは、人を見る力があるからできることです)、面白いアイディアを出して来たらどうでしょう。

そうなんです。営業は営業力のみで仕事するわけではなく、企画は企画力だけで仕事をするわけではないのです。全ての仕事は総合力で行っていくのです。

私の仕事...教員に必要なスキルを少し考えてみた

前に少しご紹介しましたが、私の元々の専門はファッションデザインです。デザイナーにはデザイン能力は必須です。でも、それだけでは仕事になりません。デザインは市場から受け入れられてナンボの世界ですから、マーケティングを勉強しました。また、デザイナーの一番の仕事は営業や販売の方々から信頼を得ること。営業や販売の方が良いデザインと信じて始めて売れる商品、売れるブランドとなる訳ですから、最も大切な能力は営業力と今でも思っています。また、紡績のマーケティング室ではファッションデザイナーの時に勉強したマーケティングの知識を使い、市場の動向を分析してアパレルメーカーやショップに対し企画提案をしていました。また、その際にプレゼンテーション能力を高めようと訓練を欠かしませんでした。教員になってからは、授業でマーケティングを学生にレクチャーすると共に、学生から信頼を勝ち取るため培った営業力など、今まで得たことをフル回転させながら仕事を行ってきました。また、就職指導の仕事も行い始めたので人事に必要とされる人材マネジメントの勉強や、学生のケアを行うための心理学なども勉強し始めました。

さて、現在ですが、市場を分析し良い商品(人材)を送り出すために就職指導にはマーケティング能力は欠かせないと考えています。また、伝える力であるプレゼンテーション能力の指導を行うため、自らのプレゼンテーション能力を磨くことも必須です。さらには、就職活動では見た目も大切なのでファッション系の知識も使っています。当然、人材マネジメントの知識や心理学の知識はこの仕事には欠かせません。ついでに、効率よく仕事を進めるための事務処理能力、一日中熱く講義をし続ける体力なども必要な能力となります。

必要なスキルだけ持っていても生き残れない

良く学生から「デザイナーだったのになぜ就職指導しているの」と聞かれますが自分でもよくわかりません。そういう人生だっただけです。また「全く違いことやって大変ですね」「回り道してますね」などと言われることがありますが、そこについては「そんなことはない」と反論します。今までの経験が今の自分を創っており、そこで得たすべての知識やスキルを総動員して今の仕事をやっているのです。どれか、一つの知識・スキルが抜けただけでも今の私はありません。今までの人生ムダはなかったと確信しています。

今、私が仕事をする中で信頼を勝ち取っているとすれば、それは、マーケティング知識やその実務能力、プレゼンテーション能力、その他、教員以外の仕事で得た能力が原因だと考えます。その能力は他の教員が経験してこなかった私のオンリーワンだからです。

人の価値を決めるオンリーワンの能力

当然、教員の仕事を行う中で、授業力など教員であれば誰もが持つべき能力はあります。就職指導担当としても面接指導力などは持つべきでしょう。しかし、それはそれを担当する皆が持っている能力です。その中で信頼を勝ち取るためには、皆とは全く違うオンリーワンの能力が必要となります。その能力を持つからこそ、皆が頼ってくれ信頼してくれるのです。

その職業に必要なスキルと聞かれた時、学生には「どんなスキルでも役に立つ」「目の前にあるチャンスはムダと考えないですべて行ってください」と答えるようにしています。これは、50年生きての実感です。大事なスキル、大事でないスキルを分けて、大事なスキルだけ習得すれば良いと行動をとる学生を見ると「かわいそう」と思ってしまいます。

出来るだけ労力をかけずに最短距離を行こうとする方は、仕事をする中で周りと差別化できず、埋もれていくことでしょう。「ムダを省いた最短距離」...実は最もきつい「いばらの道」だと知ってほしいと切に願う私なのでした。

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