JOB. HUNTING.
TEXT. BOOK.
就職活動が
人を成長させる
「素直さ・主体性・協調性」
社会人としての考えを
創る活動が就職活動
そのために今できること
理念
The best way to predict your future is to create it.-Peter Drucker
未来を予測する最良の方法は、未来を創ることだピーター・ドラッカー
降ってくる未来を待つのではなく、自ら未来をつかみ取る。就職活動を行うにあたり最も大切なことはこの気持ちです。また、就職はゴールではないスタートです。就職の先にある未来を明確にイメージし、そこに向かって決してあきらめないことが将来の幸せを創ります。未来を創るためには未来を創り上げる考え方が重要となります。その考え方を研究し続けるゼミが「就活ゼミ:ジョブハンティングゼミナール」です。
幸せな将来を創ることに早すぎるということはないです。是非、このホームページを使って、将来を考えて欲しいと考えています。
1-3 本音を深堀する
自己分析を行う時、最も注意してほしいのは「1ミリも盛らない」「良く見せようとしない」こと、できる限り自分で「なぜそうなのか」を深堀することの2点です。次の事例は就職担当の私と学生とのエントリーシート指導の中で、深堀を行った事例となります。
【ある学生の地元市役所への志望動機】
私は御所が「保健福祉の充実と活力ある地域社会作り」を掲げている点に惹かれ志望致しました。また運営理念の中で「正確・迅速・奉仕」を行動規範として事業を推進していくとあり、地域住民の方が最良のサービスを受けられるよう、事務員としてサポートしていき、地域の活性化の手助けをしていきたいです。
いかがでしょうか。この志望動機で就職担当として私が感じた疑問は次の通りです
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何故「保健福祉の充実と活力ある地域社会作り」に惹かれたか
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そもそも「保健福祉の充実と活力ある地域社会作り」とは何か(彼がこの施策をどういうものと思っているか知りたい)
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「正確・迅速・奉仕」を志望動機に入れたのは何故か(文脈から見ると必要ないが…)
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事務員として、何をサポートしたいのか
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(前の質問に対し)それは、何故か
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地域の活性化の手助けとは何か
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地域の活性化を何故したいと考えているのか
これらの質問に対しての彼の答えに、2段階3段階にツッコミを入れると、学生は詰まってしまいました。例えば、次のようなやりとりです。
就職担当
「事務員として、何をサポートしたいの?」
学生
「住民をサポートしていきたい」
就職担当
「住民をどのようにサポートしていきたいの?」
学生
「……」
志望動機の言葉、ひとつひとつに責任を持って作って欲しかったのですが、彼は「事務員としてサポート」とは何かを、頭の中で絵に描けていませんでした。面接官が何を言えば気に入るかを考えて志望動機を作った典型です。この他の質問に対しても似たり寄ったりでした。このような、志望動機では合格するはずがありません。しかし、彼と話す中でコンセプトとなるフレーズが次のような会話の中から見つかりました。
就職担当
「地域の活性化を何故したいと考えているの?」
学生
「地元が好きだから」
就職担当
「何故、地元が好きなの?」
学生
「生まれてからずっと住んでいるから」
就職担当
「ずっと住んでいる人が必ず地元好きではないと思うけど?」
学生
「俺は好き」
就職担当
「では、好きな人と嫌いな人がいる中で、何故、好きなの?」
学生
「仲間がいるから」
就職担当
「地元にいるのは仲間だけじゃないよ。お年寄りも、子供も色々な人がいるよ?特に保健福祉に興味があるなら、対象はお年寄りや子供・病気の人など社会的弱者が中心の施策をやりたいってことだよね」
学生
「……」
ここで、市役所を受験している学生の中で「地元好き」を前面に出している志望動機を色々紹介しました。「地域全員が一つの家族と言っても過言ではない」「○○市ならではの人のあたたかさ」「自他ともに認める○○(地名)好き」etc. そうすると、彼は話し始めました。
学生
「俺も地元の人全員が一つの家族と感じる」
就職担当
「何故、そのように感じるの?」
学生
「小学生から老人まで全員が挨拶してくれるし、毎年子供からお年寄りまでが集まるバーベキュー大会があるし…」
就職担当
「じゃあ、地域が家族のようだから、地域を活性化したいの?」
学生
「そうかもしれない…」
就職担当
「ということは、今まで積極的に挨拶をして、バーベキュー大会には毎年参加していたの?」
学生
「挨拶はするけど…」
就職担当
「本当に??全員に??」
学生
「相手が挨拶してきた場合は…」
就職担当
「バーベキューは?」
学生
「中学までは参加した。高校は部活が忙しくて参加できなかった」
就職担当
「中学までは積極的に参加していたの」
学生
「積極的には参加してなかった。親に言われて…地元のイベントだから…」
就職担当
「専門学校時代は?」
学生
「参加したかったんだけど体調悪くて…」
就職担当
「本当に地元の人たちが家族のようだと思ってる?」
ここまで話した時に、彼は突然雄弁になりました。彼が話してくれたのは次のようなことです。
確かに、中学生や高校生の時には、仲間と遊ぶほうが楽しくて、地域行事などには興味がなかった。中学生の時には親に言われて仕方なく行事に参加していたし、高校の時は部活の方がずっと大事だった。
でも、市の職員を目指したいと思いそのなかで、「市を良くするためにどのようにすれば良いか」を考えるようになってから、地域が良くなるためには、「バーベキューなどの地域行事に皆が参加するような環境が必要」と考えるようになった。さらに、日常のことではあるが、挨拶を交わすことは大事と思うようにもなった。今まで受動的だった挨拶を意識すると、地域の小学生が自分から元気よく私に挨拶をしてくれることに気付き、凄いと思った。地域で遊んだり、行事に参加したりすることが楽しいと心から思っていた小学生のころがあったことを思い出した。皆がそう思える地域づくりができたら、それこそ「最高の市」ができると感じ、そのような街づくりを目標にする市職員になりたいと心から思った。
こんな感じのことを話してくれました。彼の真剣に語る態度に、私は「それが志望動機の胆(コンセプト)になるよ。これを元に自分伝記(自己分析の手法の一つ)を書いてみたら」と言いました。
自己分析は自分の本音を1ミリも盛らずに作ることが大切です。そのうえで自己PRや志望動機を作っていかないと、面接時の深堀に答えられないばかりか、人事から見るとうさん臭いものになってしまいます。人事は人を見るプロです。今まであまり考えたことがない自分の「人間性」「性格」や「なぜ仕事がしたいか」「どのように仕事をしたいか」などを考えることは本当に大変だと思います。しかし、あきらめずに頑張ってみてください。それが、将来の幸せにつながります。