JOB. HUNTING.
TEXT. BOOK.
就職活動が
人を成長させる
「素直さ・主体性・協調性」
社会人としての考えを
創る活動が就職活動
そのために今できること
理念
The best way to predict your future is to create it.-Peter Drucker
未来を予測する最良の方法は、未来を創ることだピーター・ドラッカー
降ってくる未来を待つのではなく、自ら未来をつかみ取る。就職活動を行うにあたり最も大切なことはこの気持ちです。また、就職はゴールではないスタートです。就職の先にある未来を明確にイメージし、そこに向かって決してあきらめないことが将来の幸せを創ります。未来を創るためには未来を創り上げる考え方が重要となります。その考え方を研究し続けるゼミが「就活ゼミ:ジョブハンティングゼミナール」です。
幸せな将来を創ることに早すぎるということはないです。是非、このホームページを使って、将来を考えて欲しいと考えています。
5-2 必要なコミュニケーション①
私は職業柄、人事の方と会うことがよくあるのですが、ほとんどの人事の方が「結局は一緒に働きたいかです。」とおっしゃいます。そして、面接官の気持ちと皆さんの気持ちには、それほど、差があるわけではないとお話ししました。また、面接の時間は30分~1時間程度です。その短い時間で面接官は一緒に働きたいかどうかを判断していきます。判断するためには受験者のことをわからなければなりません。面接という非常に特殊な場で、受験者のどこを見て、どのように判断するかを考えてみます。
まずは、面接とは面接官と受験者のコミュニケーションの場ということを前提に、お話をしていきます。面接官は受験者のことが分かりたいと思っています。受験者がどういう人物かを心から知りたいと思っているわけです。面接官は素直に受験者のことを受け入れたい、そのうえでどのような人物かを判断していると考えると、どのような対応をすればよいか自ずとと答えは出てきます。受験者も素直になれば良いのです。自分のことがわかって欲しい、自分のことを知って欲しい、そのうえで判断して欲しい、このような考え方ができれば準備完了です。
さて、短い時間で自分を知らせる方法は二種類あります。一つは「バーバルコミュニケーション」もう1つが「ノンバーバルコミュニケーション」です。これは言葉で伝える「言語(バーバル)コミュニケーション」と言葉以外の表情やしぐさなどで伝える「非言語(ノンバーバル)コミュニケーション」のことです。長い時間があれば、自分の行動で見せて相手に伝える方法などもありますが、時間は30分から1時間程度しかありません。このような中、バーバル・ノンバーバルの二つを駆使して自分を知らせるわけです。
面接の場を思い浮かべてください。顔がこわばり目は泳ぎ、声が震え、覚えてきた志望動機を語るなどはよくある風景です。口では志望先への好意を語り、でも表情は好意のひとかけらもない、声は面接官を怖がっている感じがする。この一貫性がない情報伝達の中、面接官は受験者のことをどう判断するでしょうか。面接の中ではバーバルとノンバーバルの一貫性が非常に重要です。
では、どのようにすれば、表情・しぐさ・口調・話の内容に一貫性が出るのでしょうか。私は、答えは1つしかないと考えています。それは、当たり前のことなのですが「自分の本心を、心を入れて、本気で語ること」です。本心であれば自然と表情は出るはずです。心を入れれば表情は豊かになるはずです。本気であれば言葉に力が入るはずです。次の志望動機の事例をご覧ください。
生きがいを持ち、生き生きとした生活をする人が大勢いる社会が私の理想です。「皆がキラキラした社会」が最高の社会だと思います。また、私はキラキラを創り出す仕事を職業にしたいと考えています。公務員の仕事が、生きがいを持ち、生き生きと生活する人々を作る仕事と感じ公務員になろうと思いました。また、昨年貴省を見学させていただいた時に、国土交通省は安全・安心な社会づくりや、伝統文化を守りながらの活力のある国土づくりなど、生き生きとした生活を作り出す仕事だと知りました。さらには、学校の行政政策研究で、コンパクトシティや中心市街地活性化について調べた時に、国土交通省がまちづくり・地域づくりを推進していることを知り、是非貴省で働きたいと考えました。
国土交通省を志望した学生の志望動機です。「皆がキラキラとした社会」「キラキラを創り出す仕事を職業にしたい。」このフレーズいかがでしょうか。「キラキラって…」と思った方多いのではないでしょうか。「面接にそんなフレーズあり?」と思いますよね。彼女の場合、自己PRにも「キラキラ」という言葉が入っています。彼女は、小学校時代ソフトテニス全国2位・中学校時代ソフトテニス全国5位と素晴らしい経歴を持ちながら、自己PR・志望動機共に作ることができず、ずっと悩んでいた学生です。悩んでいる彼女と話し合う中で「キラキラとした世の中を作りたい」「キラキラとした自分になりたい」という言葉が出てきました。普通、就職試験で使う言葉ではないのですが、本気でそれを思っているように見えたので、それをキャッチコピーに、自己PR・志望動機を作ってみるようにアドバイスしました。
作り上げた後、面接練習を行ったのですが、その時の本気で「キラキラした世の中を作りたい」と考えている目の輝きや表情・しぐさに、「いける」と感じました。素直で前向きで可愛らしい彼女でなければ、使えないキャッチですが、自分が本気で思えるキーワードを見つけると素晴らしい面接ができることを改めて感じました。面接で言う内容と、表情・しぐさ・口調に一貫性があり、本気さが見えれば、面接というコミュニケーションは成功です。是非、自分が本気で言える内容を考えてください。
また、表情やしぐさ、言動の一貫性の前に、学生には表情が薄い人が非常に多いと感じます。友人同士や恋人の前だと表情が豊かなのに、親や教師の前だと途端に表情がなくなる人も良く見かけます。でも、ジェネレーションや立場などギャップがあっても、表情豊かに対応できるようになって欲しいと思っています。そのため、私は授業を最初に行うときにいつも宣言するようにしています。宣言は「私はえこひいきをします。」です。そのように言うと学生は最初、変な顔をします。まあ、その反応は当たり前のことだとは思うのですが、ちょっと考えてみてください。授業を行うにあたり、その日に教えることを準備します。毎年学生は違いますから、同じ授業をしても進度は異なります。準備したことを話しながら、学生の反応を見て、緩急をつけながら授業を進めていきます。
ここで皆さんに考えて欲しいのですが、どういう学生の反応を見て、緩急をつけると思いますか。そうです。表情がない学生を見ても分かっているか分かっていないかわからないのです。そのため、表情が豊かな学生の反応で授業を進めることになります。当然、表情がない学生にも質問をかけて、反応を見ますが、緩急の微妙なところは、やはり表情のある学生を見てしまいます。この話を学生にするときには、でも、えこひいきは出来ればしたくないから、全員が表情豊かになってくれとお願いします。
これは、面接でも同じです。反応の良い、表情が豊かな受験者は面接官も「えこひいき」してしまうのではないでしょうか。私が面接官であればそうなってしまいます。皆さんも表情を作る訓練を是非してください。訓練の方法は授業中に教員の方を見ながら、うなずいたり、首を傾げたり、目を見開いてうなずいたり、などの方法で充分です。続けていけばいつも表情が出るようになるはずです。