JOB. HUNTING.
TEXT. BOOK.
就職活動が
人を成長させる
「素直さ・主体性・協調性」
社会人としての考えを
創る活動が就職活動
そのために今できること
理念
The best way to predict your future is to create it.-Peter Drucker
未来を予測する最良の方法は、未来を創ることだピーター・ドラッカー
降ってくる未来を待つのではなく、自ら未来をつかみ取る。就職活動を行うにあたり最も大切なことはこの気持ちです。また、就職はゴールではないスタートです。就職の先にある未来を明確にイメージし、そこに向かって決してあきらめないことが将来の幸せを創ります。未来を創るためには未来を創り上げる考え方が重要となります。その考え方を研究し続けるゼミが「就活ゼミ:ジョブハンティングゼミナール」です。
幸せな将来を創ることに早すぎるということはないです。是非、このホームページを使って、将来を考えて欲しいと考えています。
3-4 主体性①
次に主体性ですが、皆さんは主体性と自主性の違いが分かるでしょうか。主体性とは「自分の意志・判断で行動しようとする態度。」自主性とは「自分の判断で行動する態度。」辞書にはこのように書いてあります。2つの違いは意思があるかないかで他はほとんど同じです。意思のあるなしで何が違うのでしょうか。少し噛み砕いて話すと、自主性はやらなければいけないことを他人に指摘される前に行うことであり、主体性は目的のために何を行うべきかを自ら考え、自らの考えのもと目的に向かって何かを行おうとする行為のこととなります。やることが決まっていて、それを誰からの指摘もなく行うことができるのが自主性、目的に対してやることを自ら考えて行っていくことが主体性と理解してください。
高校などで言われた「挨拶を徹底しなさい。」「教室は綺麗にしなさい。」などの文言を理解して、それを自ら行っていくこと(自主性)は大切なことですが、企業はそれ以上のことを新入社員に臨んでいます。挨拶を徹底することがなぜ必要かという、事柄の目的を考え、さらに発展させていく能力を望んでいるのです。
挨拶の場合であれば、挨拶を徹底する目的として「コミュニケーションの円滑化のため」「規律のある場を創るため」などの目的が考えられます。また、「外部の人達が来訪した時に気持ち良い時間を過ごしてもらうため。」などという目的もあるかもしれません。例えば、コミュニケーションの円滑化の為と考えるのであれば、週に1回それぞれの仕事の報告会を行い、それぞれを激励しあう場をつくる提案をするのでもよいかもしれません。また、外部の人達に気持ち良い時間を過ごしてもらうことが目的であれば、誰かが来訪した時にはどんな場合も仕事の手を休め、その場で立って丁寧なあいさつをしてみるのも良いでしょう。このように、目的に向かい自ら考え行動することが主体性となるわけです。
主体性を発揮するためには、目的意識を強く持つことが前提となります。この目的意識を強く持つためにはモチベーション(動機)が必要です。さらに、そのモチベーションを持つためには、自分が行っている仕事の全体像を把握する必要があります。全体を把握し全体の目的を知る。その全体の目的を知ることで、モチベーションを掻き立てる。さらに、自分が担当する部分に必要な、ベクトルを見定め、自分の目的を設定し、その目的を達成するために行わなければいけないことを考える。最後にそれを実行する。ここまで出来て初めて主体的に物事を行ったと言います。つまり、主体性を発揮するための両輪が「全体把握」と「モチベーション」ということになります。
では、実際の例をもとに考えてみましょう。私の勤める学校では、産学官連携事業として、地域の商店街を活性化する事業を、商店街や市役所と協力しながら行っています。学生達は商店街を活性化する目的でその事業に取り組みます。その中の一部として、商店街の広場にペットボトルで高さ10Mのイルミネーションツリーをつくる企画がありました。2万本のペットボトルで巨大なツリーを作成するものになります。作業工程として、
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ゴミとして出たペットボトルを作業所(学校)に持ってくる。
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ペットボトルについている銘柄の入ったビニールをはがす。
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大きな水槽に水を入れ汚れたペットボトルを1本1本洗う。
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ペットボトルを乾かした後、ハンダごてでペットボトルに穴をあけ紐を通す穴をつくる
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穴に紐を通しペットボトルを組み上げる。
という流れになります。ペットボトルはゴミとして出たものなので、匂いも強烈です。さらには、ハンダごてでペットボトルに穴をあけるわけですから、臭さもあります。さらに、換気しながらの作業なので寒さも半端ないです。また、2万本という途方もない数のペットボトルを組むという作業そのものが、いかにも大変そうです。そのような作業を成し遂げるためには、学生達一人一人が、どのように考えるかが大切です。ここに、考え方を4つ上げてみました。
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汚いペットボトルを洗って、ハンダごてでの穴あけをする作業は臭くていや。最悪の作業で絶対逃げたい、自分はやりたくない。
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先生がやれというから仕方なくやるけど、できればしたくない。でも、皆やるし…どうしよう…だらだら時間をやり過ごせば何とかなるかな。
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私はきちんとノルマをこなすことは大切と考えているから、担当として振り分けられた分はやるけど、それ以上は私の責任ではない。
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最終的に点灯式で喜んでくれる来訪者が沢山いると聞いている。点灯した時には「スゴイ!」「キレイ!」などの歓声も上がるそうだ。さらに、クリスマスからバレンタインまで楽しみに見に来てくれる人たちがいる。そんな人たちの為に何とか完成させたい。それが、商店街を活性化させることにつながり、それを自らの手で成し遂げられるなんてすばらしい。
ここで、①②③の学生はこの事業の全体の目的を考えず目の前の作業を見ています。特に①②の学生は目の前の作業に拒否反応が出ており、やらされていると考えてしまった例となります。③は、全体は見ていませんが、自主的に作業をこなしていった例になっています。最後の④がまず全体を俯瞰し、そのイベントの目的を考えたうえで、自分の作業に落とし込んだ例になります。この例の中で④の考え方をする学生のみが、物事に主体的に取り組む素養を持った学生になります。
何かを行うことには、3つの要素があります。1つ目が、「行動そのもの」です。この例の場合「汚いペットボトルを洗う。」とい作業のことになります。2つ目は、「その行動の目標」です。「10Mの高さがあるペットボトルイルミネーションツリーを作る。」ことが目標になります。3つ目は、「その目標の上位に存在する目的」です。ここでは、「来訪者に感動と幸せを与え、商店街のファンにする。」ことが、目的です。目的はそのものを行う意義のことです。意義とは、何故それをするかということですから、これを理解することで全体像を俯瞰する(高いところから見下ろす)ことができるようになります。そして、全体を俯瞰することが、主体的に動く素養を創り出すもとのなるのです。